『インビクタス/負けざる者たち』

Invictus.jpg16日、またまた映画・・・。
『インビクタス』を見に行きました。
この日は、久しぶりに友達Aとです。

『インビクタス』は、あちこちで、いい映画との評価を耳にしていたので、是非見たいと思っていました。
でも、南アフリカ共和国のことも、マンデラ大統領のことも、全く下調べも予習もなく・・・
どの映画もそうですが、いい映画と聞いていても、ほんとにおもしろいのかなと、疑いながら見てしまうのですが・・・

いや~
『インビクタス』、良かったですよ~
久々に、感動しました

本日は、また長文レビューになってしまいました
お急ぎの方は、またのお越しをお待ちしていますね<(_ _*)> ペコリ

本作は、ジョン・カーリン原作のノンフィクション小説の映画化・・・。
反アパルトヘイト運動に尽力し、南アフリカ共和国の大統領となったネルソン・マンデラと、同国のラグビー代表チームのキャプテンとの、人種を超えた友情を描きます。

モーガン・フリーマンは、マンデラを描いた映画の企画を何年も前から練っていたそうです。
映画化が行き詰まっていた矢先、このジョン・カーリンの本についての企画書が届き、実現のレールに乗りました。
そして、フリーマンから脚本を受け取ったクリント・イーストウッドも、この題材にすぐに惹かれたそうです。

フリーマンは、「このプロジェクトのひとつひとつのコマが、磁石のようにくっついてきた。」と言います。
そんなことは、めったに起きるものではないそうですが、いい映画というのは、そんな運命を背負って生まれるものなのかもしれません。

335400view001-2.jpgネルソン・マンデラは、1962年白人政権の転覆を企てたとして逮捕され、反逆罪で終身刑の判決を受けました。
90年に釈放されるまで、27年以上もの獄中生活を過ごしたそうです。
93年、ノーベル平和賞を受賞。
94年、アパルトヘイトが、完全撤廃され、全人種参加の総選挙で、大統領に就任しました。

この映画は、その94年、マンデラが大統領に就任したところから始まります。
南アフリカでは、マンデラ政権の誕生を控えた94年前半、国外に脱出する白人が月平均3000人以上にも上ったと言います。
選挙でアフリカ民族会議(ANC)が勝てば、黒人独裁となり、アパルトヘイト時代の報復が始まるのではないか・・・。
白人社会のそんな恐怖が原因だったそうです。
映画は、そんな不穏な空気が流れる時代です。

335400view009-2.jpg30年近くも、投獄されていたマンデラですが、看守たちを白人というだけで敵視することなく、その人間性を見出して付き合い、「敵対より和解」を信念に持つ人物でした。

「インビクタス」は、そんな彼が、投獄中に心の支えにしたウィリアム・アーネスト・ヘンリー(英1849~1903)の詩で、ラテン語だそうです。
ヘンリーは、12歳の時に関節結核にかかって左足を膝下から切断。
その後右足まで同じ病気にかかり、再び切断かという闘病生活中の1875年に、この詩を書いたのだそうです。
どんなに理不尽で過酷な運命にも、決してくじけず、自分の魂は自分のものだし、自分の運命は自分で切り開くと宣言する力強い詩です。
下にその詩の訳をご紹介しますので、ご興味のある方は、お読みくださいね。

10012303_Invictus_00-2.jpg
「インビクタス」
ウィリアム・アーネスト・ヘンリー

私を覆う漆黒の夜
鉄格子にひそむ奈落の闇
私はあらゆる神々に感謝を捧ぐ
我が負けざる魂に

如何なる無惨な状況においてさえ
私はひるみも叫びもしなかった
運命に打ちのめされ
血を流そうと、決して頭は垂れまい

激しい怒りと涙の彼方には
恐ろしき死だけが迫る
だが、永きに亘る脅しを受けてなお
私は何ひとつ、恐れはしない

門が いかに狭かろうと
いかなる罰に苦しめられようと
私は我が運命の支配者
私が我が魂の指揮官なのだ


映画レビュー、いつも長いのに、ますます長くなって恐縮です
肝心なことを書かなければいけません。
この映画は、そんなマンデラが報復や混乱ではなく、「人種和解」「虹の国」を目指して、南アフリカの再生に力を注いだ物語ですが、大統領に就任した翌年、95年に開催されたラグビーのワールドカップに、焦点が当てられています。

335400view008-2.jpg南アフリカにとってのラグビーは、白人のスポーツ、アパルトヘイトの象徴でもあり、そのためにIRB主催大会から除名されていたそうです。
ラグビーだけでなく、南ア共和国は、アパルトヘイト政策のために、32年間オリンピックからも追放されるなど、強い批判を受けていました。
1995年のラグビー・ワールドカップは、そんな南アフリカが、初開催国となり、初出場した記念すべき大会でした。

マンデラは、「国の恥」とまで言われて弱体化した南アフリカの代表チーム、スプリングボクスのチーム名もユニフォームもエンブレムも変えようといきり立つ、新しい国家スポーツ評議会に対して、「今は卑屈な復讐を果たす時ではない。」と一同を説得します。
彼は、ラグビーを白人の愛するスポーツとして、敬意を払い、白人と黒人がいがみ合うことなく、国を上げて応援して盛り上げるということに、大きなリーダーシップを発揮しました。

「国民協調だけが、南アという国を作ることが出来る。」という、マンデラの強い信念が伝わって来ます。

09103102_Invictus_06-2.jpg長々と書いてしまいましたが、後半のラグビーのシーンは、ほんとうに圧巻でした。
実際のワールドカップの壮絶な試合を、忠実に再現されたそうです。
全くラグビーのことは知らないわたしですが、ルールもなにもわからなくても、その迫力には、とにかく圧倒され、手に汗を握りました。

そして、決勝相手チーム、ニュージーランドのオールブラックスが競技の前に繰り広げる、ハカ(Haka)という踊りを初めて見ました。
闘いの踊りとして、試合前にいつもニュージーランドやトンガ、サモア、フィジーなどの各代表チームが、独自のハカを披露するようです。
豪快でワイルド、これから力の限り闘うぞという迫力の踊りです。
(ハカについて、詳しくは、こちら(Wikipedia)をご覧ください。)

あんまりカッコ良かったので、You Tubeで、動画を見倒してしまいました(^^;)
下にひとつ張りますので、興味がありましたら、ご覧くださいね。



そんなこんなで、久々の感動作だったのですが、クリント・イーストウッドには、ほんとうに感服しました。
『グラン・トリノ』見たかったのに、見てないんですよね。
また、是非借りて見たいと思います。

最後、エンドロールで平原綾香の「ジュピター」でおなじみの「World In Union」(ラグビーワールドカップのテーマソング)が、字幕付きで流れるのですが、この曲が、こんな歌詞だったとは初めて知り、感動して、不覚にも、涙がボロボロ流れてしまいました(ーー;)
エンドロールで、こんなに泣いた映画は初めてかも・・・
また、実際の95年ワールドカップの試合の写真も写りますよ。
見に行かれる方は、時間があれば、エンドロールにもご注目くださいね。

下のYou Tubeは、『インビクタス』サウンドトラックのソウルフルな「 ワールド・イン・ユニオン’95」です。
歌詞は、おまけ・・・。
オリンピックにも通じるかなぁ・・・。
高橋大ちゃん、小田信成君、初出場の小塚崇彦君も、大きなミスなく頑張りましたね。
でも、プルシェンコ強かった
ライサチェック、相変わらずデカかったなぁ・・・
アメリカのジョニー・ウィアー選手は、まるでアイドルだね(^^;)

14日のHNKスペシャル ミラクルボディーに出ていたフランスのブライアン・ジュベール、密かに応援していたのに、失敗しちゃいましたねぇ

フリーは、日本時間19日10:00からとのこと・・・。
みなさん、頑張ってね~

本日も、長文、失礼しました(*- -)(*_ _)ペコリ

『インビクタス/負けざる者たち』オフィシャルサイト



私には、夢がある
とても貴重で、とても誠実な夢
世界がみんなつながって、一つになる
みんな一緒に集まって
一つの精神、一つの心
すべての主義、すべての肌の色
一度にみんな入って来て
二度とバラバラになることはない
自分の中の一番を捜して
私は自分がなれるものを見つける
もし勝っても、たとえ負けても、引き分けでも
勝者は必ず私たちの中にいるんだから!
それは結合した世界、一つになった世界
そして私たちが運命に手を伸ばし
登りつめて行く時
私たちの新しい時代が始まる!

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 映画 あ行

12 Comments

ちぃ  

こんばんは~
去年、一昨年・・だったかな。
10月末に国立競技場で、実際のHAKAを見ましたよ~。
鳥肌が立つほど興奮したのを思い出しました!
すごい、懐かしい~。
しかもみーさんが貼られたyoutube、わたしが観たチームのだわ~。
ニュージーランド代表オールブラックスだわよね?


わたし、サッカーと同じくらい、アメフトもラグビーも観ちゃうんです。
この映画、とても気になっています。
見に行こう。決めた!!

2010/02/17 (Wed) 21:45 | EDIT | REPLY |   

ami  

みーさんこんばんは

おお!またまた映画三昧でしたか♪

先日パブリックエネミーズを見たときに劇場予告でこれを見たのですがもうそこで涙ボロボロでした。
続く差別の世界、27年間の投獄、誰を憎むことも無く「我が魂の指揮官なのだ」に涙ボロボローです。
どんな辛いことなのか想像を越える世界です。
マンデラ大統領はほんとうに強い意志と知恵を備えた人、まさに己の魂の指導者なんですね。

ハカは昔「がんばって、がんばってしーごと!」というCMがありましたよね(笑)

2010/02/17 (Wed) 22:31 | EDIT | REPLY |   

tearose  

うわぁ~
映画も大作ならみーさんのレビューも大作ですね~
この映画は前々から注目していました。
イーストウッド監督というだけでも楽しみだったのですが
みーさんのレビューで益々行きたくなりました。
伝説的なカリスマを主人公にした映画はたくさんあります。
その人の人生のどこにスポットをあてるか
どんな脚本かで中には期待はずれのものもありますが
みーさんの脚本のできるまでのお話を聞いて間違いないと思いました。
楽しみです~

2010/02/17 (Wed) 23:10 | REPLY |   

みー  

★ちぃさん

こんばんは!

わ~!
ちぃさん、実際のHAKAをご覧になったのですか?
すごい!
ニュージーランドのオールブラックスは
映画で、南アが決勝で対戦したチームでもあるんですよ。
だから、動画もオールブラックスのを探しました。
楽しんでいただけて嬉しいです。

ちぃさん、サッカーをお好きなのは、ブログで拝見していましたが
アメフトも、ラグビーもお好きなんですね。
だったら、この映画、是非見てくださいね。
ほんとにお勧めですよ。

2010/02/17 (Wed) 23:19 | EDIT | REPLY |   

みー  

★amiさん

こんばんは~!

続けて映画です(^^;)
お~!
amiさん、「パブリック・エネミーズ」見たの?
おもしろかった?
「インビクタス」予告編で涙ボロボローだったのですね。
ほんと、感動作でしたよ~。

「がんばって、がんばってしーごと!」というCM、ハカだったのですか?
知らなかったわ。
覚えてますよ~!
動画見付けました!(^^;)
1991年('90年?)グロンサンDXのCMだったのですね。

http://www.youtube.com/watch?v=d-3M80Tj3pY

確かに、本物のハカ、ほんとに「がんばって!がんばって!」って聞こえるんですよね(^^;)
あれは、「Kamate! Kamate!」と言っていて
「死ぬんだ!死ぬんだ!」っていう意味らしいですよ。
次に、「Kaora! Kaora!」
「生きるんだ!生きるんだ!」と言っているらしいです。

2010/02/17 (Wed) 23:43 | EDIT | REPLY |   

ami  

本物のハカの歌詞、かっこいい!なんかシンプルな太古の生命の本質のようなものを感じますね~。

パブリックエネミーズ、面白かったですよ。姉がジョニーデップが好きで、彼と、わたしの好きなバンデラスさんの映画は劇場で、そして姉の資金で見ることにいつからか決まってます、なぜか(笑)

ラストが残念、すっかり良い銀行強盗のファンになりましたよ(笑)

2010/02/18 (Thu) 00:03 | EDIT | REPLY |   

みー  

★tearoseさん

映画は大作ですが
レビューが大作だなんて・・・(///(エ)///) カーッ
相変わらず長くて、申し訳ないです。

この映画、tearoseさんも注目されてました?
イーストウッド監督は、いいもの作りますね。

最初、制作を企画していたのは、「自由への長い道―ネルソン・マンデラ自伝」(NHK出版)だったのですが
そこで語られているマンデラの生涯は、映画の時間枠では、とても不可能だったらしいです。
偉大でエピソードが多過ぎるのだと思いますが
この1995年のラグビーの試合のお話しは、マンデラの本質がよく現れていて
見る人の心を動かすものだったのだと思います。

もし、時間が出来ましたら、ご覧になってくださいね。

2010/02/18 (Thu) 00:13 | EDIT | REPLY |   

みー  

★amiさん

そうそう!
本物ハカの歌詞は、単純だけどかっこいいですよね。
生命の本質のような・・・。

パブリックエネミーズ、良かったのですね~。
見られなかったわ。

>姉がジョニーデップが好きで、彼と、わたしの好きなバンデラスさんの映画は劇場で、>そして姉の資金で見ることにいつからか決まってます、なぜか(笑)
お~!
いいなぁ~!
うるわしい、仲良し姉妹愛・・・e-266
兄弟も姉妹もいないので、うらやましいです~。

2010/02/18 (Thu) 00:19 | EDIT | REPLY |   

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2010/02/24 (Wed) 12:33 | REPLY |   

みー  

★鍵コメさん

わぁ!
ご主人と一緒に、見に行かれたのですね~!
良かったですか?
始めからウルウル?
そうですよね。
わたしも、最初のシーン・・・
ユニフォームを着た白人ばかりのラグビーの練習をしているチームと
道を隔てて、汚い服でサッカーをしている黒人の子どもたちのシーンが
とても胸に突き刺さりましたよ。

アーネスト・ヘンリーは、両足切断かという時に
「インビクタス」という詩を作ったのですね。
たくさん検索して、その記事、やっと見付けました。

いや~ん!
記事、褒めてくれてありがとう~♪
とても嬉しいです。

クリント・イーストウッド、いい男よね~。

2010/02/24 (Wed) 16:17 | EDIT | REPLY |   

ともみ  

ありがとう~~~~~~(涙)
良かった~~~(涙)
このレビューが、良かった~~~(涙)

2014/09/16 (Tue) 23:20 | REPLY |   

みー  

★ともみさん

わ~~~ん。・゚(´pωq`)゚・。
ともみさん、古い記事なのに、読んでくれてありがと~~~ヽ(;▽;)ノ
いい映画だったよね~~~(涙)(涙)(涙)

2014/09/17 (Wed) 13:27 | EDIT | REPLY |   

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